お祭り・マルシェ・グルメフェスなどの飲食イベントに出店するときは、機材を車に積んで会場へ運び、毎回設営して営業し、終わったら撤収して積み戻す——この繰り返しが基本になります。だからこそ機材選びは「とにかく軽いもの」ではなく、持ち運びやすさ・丈夫さ・実用性のバランスが大切です。この記事では、実際の飲食イベント出店で使いやすい定番機材と選び方を、現場の運用に沿って解説します。
テント・設営の基本
屋外の飲食イベントは「区画だけ提供、設営物は出店者が準備」という形式が多数派です。テント・ウェイト・作業台は、メニューを問わずほぼ毎回使う基本装備になります。
3m×3m ワンタッチタープテント
飲食イベントでは3m×3mブースが使われることが多く、調理スペース・食材置き場・作業台・スタッフの動線を考えると、このサイズが使いやすい基準になります。ワンタッチ式ならフレームを広げて脚を伸ばすだけで立ち上がりますが、3mクラスの大型テントは2人以上で設営する方が安全でスムーズです。色は会場になじみやすい白・オフホワイト系が定番です。
サイドシート(横幕)は、横からの日差し・風・砂ぼこり・雨の吹き込みを防ぎ、バックヤードの目隠しにもなります。単品で買い足すより、最初からサイドシート付き仕様のテントを選んでおくと便利です。ただし全面を閉め切ると熱がこもるため、夏場は換気にも注意してください。

3m×3m ワンタッチタープテント
飲食イベントの定番となる3m×3mブースに合うワンタッチ式テント。オフホワイト系を選べ、サイドシート付き仕様も選択できるため、最初からサイドシート付きを選んでおくと日差し・風・雨の吹き込み対策まで一度に揃います。
- ✓3m×3m・ワンタッチ式・白/オフホワイト系が選べる
- ✓サイドシート対応・高さ調整・ベンチレーション付き
- ✓UV対策・耐水仕様で収納ケース付き
注意: 3mクラスの大型テントは2人以上で設営する方が安全でスムーズです。サイドシートで完全に囲うと熱がこもるため、夏場は換気にも注意してください。
テントウェイト
屋外イベントで最も多いトラブルのひとつが、突風によるテントの飛散・転倒です。テントウェイトは4脚すべてに設置し、風が弱い日でも必ず付けるのが基本。ペグが打てないアスファルトやコンクリートの会場では、ウェイトが実質唯一の固定手段になります。主催者から重量を指定されることもあるため、必要な重さは必ずイベントの募集要項で確認してください。
- ✓テント4脚すべてに設置するのが基本
- ✓風が弱い日でも必ず設置する
- ✓舗装された会場ではウェイトが唯一の固定手段
注意: 主催者から重量を指定されることがあります。必要な重量はイベントごとに異なるため、必ず募集要項を確認してください。
丈夫な折りたたみ作業台
イベント出店では毎回、車への積み込み→搬入→設営→営業→撤収→積み戻しが発生します。そのため作業台は折りたためてコンパクトになることが非常に重要です。一方で軽さだけを優先すると、調理中に揺れる・鉄板や調理器具を載せると不安定・作業しにくいという問題が起きます。折りたためる持ち運びやすさと、機材や食材を載せても安定する丈夫さのバランスで選びましょう。脚のロックがしっかりしているか、天板の水・油汚れを拭き取りやすいかもチェックポイントです。
- ✓折りたたみ式で車に積みやすい
- ✓耐荷重に余裕があり脚ロックがしっかりしている
- ✓天板の水・油汚れを拭き取りやすい
注意: 軽さだけで選ぶと調理中に揺れて作業しづらくなります。安定感とのバランスで選んでください。
台が2つあると「調理台」と「受け渡し・会計台」で動線を分けられて、営業中の作業が格段にスムーズになります。
- ✓設営・撤収が簡単で搬入出がスムーズ
- ✓サブ台があると会計・受け渡しスペースを分けられる
- ✓折りたたむとコンパクトで車載しやすい
注意: こちらも耐荷重とグラつきにくさを確認して選んでください。
店名幕・ターポリン横断幕
会場では、遠くから「この店は何を売っているのか」が分かることが集客の第一歩です。店名・メイン商品名・商品写真・キャッチコピー・価格などを入れた横断幕をテント正面に掲げましょう。ただし情報を詰め込みすぎず、遠くから3秒程度で内容が伝わるデザインがおすすめです。3mテントを使う場合は、横幅約3mの幕を作るとテント正面にぴったり合わせやすくなります。素材は雨に強いターポリンが屋外イベントの定番です。

店名幕・ターポリン横断幕(オリジナル印刷)
会場では「この店が何を売っているのか」が遠くから分かることが集客の第一歩。店名・メイン商品・写真・キャッチコピー・価格などを入れたオリジナルの横断幕をテント正面に。
- ✓遠くから3秒程度で内容が伝わるデザインがおすすめ
- ✓雨に強いターポリン素材は屋外イベント向き
- ✓3mテントなら横幅約3mの幕が正面に合わせやすい
注意: 情報を詰め込みすぎると逆に読めなくなります。店名+看板メニューに絞るのがコツです。
調理・保冷の機材
飲食出店の中心となる機材です。連続調理への対応力と、食材の温度管理が売上と衛生の両方を左右します。
業務用鉄板・グリドル
焼きそば・お好み焼き・鉄板料理などをイベントで連続調理するなら、家庭用ホットプレートより業務用のガス鉄板が実用的です。火力が強く焼き面が広いので一度に多く調理でき、連続注文や混雑時の提供速度に対応しやすくなります。ただしLPガスの使用可否、ガスボンベ・ホース・調整器の規定、火気使用申請などの消防ルールはイベントごとに異なります。必ず主催者へ確認してから準備してください。
- ✓強い火力と広い焼き面で一度に多く調理できる
- ✓連続注文への対応力が段違い
- ✓行列時の提供速度アップに直結
注意: LPガスの使用可否・ボンベやホース/調整器の規定・火気使用申請などの消防ルールはイベントごとに異なります。必ず主催者へ確認してください。
大型クーラーボックス
食材の保管・予備食材・飲料・保冷剤・搬入時の冷蔵と、保冷の中心になる機材です。電源が使えない会場でも使えるのが強み。大型タイプは多くの食材を入れられる反面、満載すると非常に重くなるため、会場内の運搬を考えるとキャスター付きが便利です。
- ✓食材用・飲料用の使い分けで衛生管理がしやすい
- ✓搬入から営業終了までの温度管理の要
- ✓電源のない会場でも使える
注意: 大型タイプは食材を満載すると非常に重くなります。会場内の運搬を考えるとキャスター付きが便利です。
小型業務用冷凍ストッカー
冷凍食材を多く使う、数日間のイベントに出る、販売量・仕込み量が多い——といった場合、クーラーボックスだけでは容量が足りなくなります。そこで便利なのが100V電源で使える小型の業務用冷凍ストッカーです。冷凍食材を安定して保管でき、数日開催のイベントでも食材管理がしやすくなります。ただし本体に重量があるため搬入方法は事前に検討を。設置は雨や直射日光を避け、発電機で動かす場合は電力容量を確認してください。
- ✓冷凍食材を安定して保管できる
- ✓小型でも業務用として使える冷凍能力
- ✓数日開催・販売量の多いイベントに対応しやすい
注意: 本体に重量があるため搬入方法を事前に考えておきましょう。100V電源が必要で、雨や直射日光を避けて設置します。発電機で動かす場合は電力容量の確認が必要です。
電源まわり
冷凍ストッカー・照明・スポットクーラーなどの電気機器を使うなら、電源の確保が出店計画の要になります。会場の電源提供の有無・容量・発電機の可否は募集要項で必ず確認しましょう。
インバーター発電機
発電機は、使う機器の消費電力の合計に余裕を足した容量で選びます。特に冷蔵庫・冷凍庫・スポットクーラーなどコンプレッサーを使う機器は、起動時に通常運転より大きな電力を必要とする場合があるため、ギリギリの容量では動かないことがあります。安全面では、テント内で発電機を運転しない(排気ガスによる一酸化炭素中毒の危険)、給油時は必ず停止する、ガソリンの保管方法に注意する、が鉄則です。主催者によっては発電機の使用自体が禁止されている場合もあります。
- ✓使う機器の消費電力の合計+余裕を持った容量を選ぶ
- ✓冷凍庫やスポットクーラー等のコンプレッサー機器は起動時に大きな電力が必要
- ✓静音性の高いインバーター式は会場でも使いやすい
注意: テント内では絶対に運転しないでください(排気ガスによる一酸化炭素中毒の危険)。給油は必ず停止してから行い、ガソリンの保管方法にも注意。発電機の持ち込みを禁止するイベントもあるため、必ず主催者に確認してください。
屋外用コードリール
会場で電源が提供される場合でも、電源盤がブースから離れていることはよくあります。20〜30m程度のコードリールがあると安心です。屋外では防雨型を選び、定格容量を確認して使用しましょう。大きな電力を使う場合はコードを巻いたまま使わない(発熱の危険)、接続部を雨に濡らさない、という基本も忘れずに。
- ✓屋外では防雨型を選ぶのが基本
- ✓20〜30mあれば多くの会場でカバーできる
- ✓定格容量を確認して使う
注意: 大きな電力を使う場合はコードを巻いたまま使用しないでください(発熱の危険)。延長コードの接続部は雨に濡らさないよう養生しましょう。
テント内用LEDクリップライト
夜間営業では、調理台・鉄板・商品・手元・会計スペースをしっかり照らす必要があります。クリップ式のLEDライトなら場所を取りにくく、クリップに加えてマグネットでも固定できるため、テントフレーム周辺に取り付けやすいのが利点です。
- ✓明るく、クリップとマグネットの両方で固定できる
- ✓テント内の作業照明として使いやすい
- ✓手元・商品・会計まわりの明るさを確保できる
注意: 紹介しているライトは屋内用です。雨や水がかからないテント内で使用し、雨天時や水濡れの可能性がある場所では屋外用・防雨型照明を使用してください。
安全・衛生
火気と水回りは、主催者・消防署・保健所から具体的な条件を指定されることが多い項目です。「全国共通のルール」はないと考えて、出店ごとに確認するのが確実です。
ABC粉末消火器
LPガス・鉄板・コンロ・発電機などを使用する出店では、消火器の設置を求められるケースがあります。油火災・電気火災にも対応するABC粉末消火器が定番ですが、必要な本数や型式の条件はイベント主催者・消防署・自治体によって異なります。「これを持っていればどこでも大丈夫」というものではないので、必ず募集要項を確認してください。
- ✓火気を使うブースで設置を求められることが多い
- ✓ABC粉末型は油火災・電気火災にも対応
- ✓使用期限を確認して携行する
注意: 必要な本数・型式はイベント主催者・消防署・自治体によって異なります。「これを持っていればどこでもOK」ではないため、必ず募集要項を確認してください。
給水・手洗い用ウォータータンク
飲食イベントでは手洗い・給水・調理器具の洗浄など、衛生管理のために水を使います。コック付きのウォータータンクは簡易手洗い場としても使える定番装備です。ただし、必要な容量・排水タンクの有無・蛇口や手洗い設備・石けん・ペーパータオルなどの条件はイベントや地域(保健所)によって異なります。タンクを用意すれば営業許可の条件を満たせるというものではないため、必ず保健所と主催者の条件を確認してください。
- ✓手洗い・給水・器具洗浄など衛生管理の基本装備
- ✓コック付きは手洗い場として使いやすい
- ✓運べる容量とのバランスで選ぶ
注意: 必要容量・排水タンク・手洗い設備・石けん・ペーパータオルなどの条件は保健所・イベントごとに異なります。このタンクを用意すれば営業許可条件を満たせるというものではないため、必ず保健所・主催者の条件を確認してください。
暑さ対策
夏場の飲食ブースは、鉄板・LPガスの熱、テント内にこもる熱気、人の熱が重なって非常に過酷な環境になります。スタッフの熱中症対策も、立派な出店準備のひとつです。
スポットクーラー
スポットクーラーは、作業者へ直接冷風を当てる「スポット冷却」の機材です。3mテント全体を冷房するものではありませんが、調理スタッフの体感と作業環境は大きく変わります。使用時は消費電力と発電機の容量、排熱の逃がし先、雨対策、設置場所を考慮してください。
- ✓調理スタッフへ直接冷風を当てられる
- ✓夏場の飲食ブースの熱中症対策に有効
- ✓作業環境の改善で提供ペースも安定する
注意: テント全体を冷房する機材ではありません(スポット冷却用)。消費電力と発電機容量、排熱の逃がし先、雨対策、設置場所を考慮して使用してください。
イベント出店 持ち物チェックリスト
ここまで紹介した機材に加えて、実際の出店当日に必要になるものをまとめました。出発前の最終確認にどうぞ。
- ☐テント(3m×3m)
- ☐テントウェイト
- ☐サイドシート(横幕)
- ☐店名幕・横断幕
- ☐折りたたみ作業台
- ☐調理器具一式
- ☐鉄板・グリドル(燃料含む)
- ☐クーラーボックス
- ☐冷凍ストッカー(必要な場合)
- ☐保冷剤・氷
- ☐発電機(可否を要確認)
- ☐コードリール
- ☐照明(夜間営業時)
- ☐消火器(火気使用時)
- ☐給水タンク
- ☐排水タンク
- ☐手洗い用品(石けん・ペーパータオル)
- ☐ゴミ袋
- ☐釣り銭
- ☐キャッシュレス決済端末
- ☐ガムテープ・養生テープ
- ☐結束バンド
- ☐工具
- ☐雨対策(ブルーシート・レインウェア)
- ☐暑さ対策(飲料水・冷却グッズ)
まとめ:機材はイベントの条件に合わせて揃える
飲食イベント出店の機材選びは、「車で運べるか」「毎回の設営・撤収に耐えるか」「営業中に安定して使えるか」の3点で考えると失敗しにくくなります。そして何より、テント条件・火気・電源・消防・保健所のルールはイベントごとに違います。応募したいイベントの募集要項を読み、その条件に合わせて優先度の高いものから揃えていきましょう。イベントシュッテンナビでは、テント出店の可否・火気使用・発電機・電源などの条件を確認できる「現在募集中」の出店情報だけを掲載しています。機材の準備と並行して、次の出店先を探してみてください。












