イベント・祭り・マルシェ・音楽フェス・キッチンカーなどへ出店すると、「カード使えますか?」「PayPayは使えますか?」と聞かれることがあります。
Square(スクエア)は、初期費用・月額固定費0円から始められ、スマートフォンだけで使う方法から、レシートプリンター内蔵の一体型端末まで選べるキャッシュレス決済サービスです。
ただし、イベント出店でSquareを使うなら、最初に確認すべきなのは決済手数料よりも通信方法です。Square ターミナルには、楽天ペイ ターミナルやPayCAS Mobileのようなモバイル通信回線が端末内に標準搭載されているわけではありません。通常はWi-Fi、スマートフォンのテザリング、モバイルWi-Fi、またはスマートフォン自身のデータ通信を使います。
この記事では、イベント出店でSquareを使うために必要な準備、端末の選び方、通信環境、手数料、入金サイクル、申込み時期、当日の注意点をまとめます。
結論|Squareは「店舗とイベントをまとめたい人」に向いている
Squareが特に向いているのは、次のような出店者です。
- 店舗営業とイベント出店の売上を同じPOSで管理したい
- 月額固定費をできるだけ抑えたい
- スマートフォンのモバイル通信やテザリングを使える
- 最初はスマートフォンだけ、または低価格の端末から始めたい
- 商品登録・売上レポート・在庫管理もまとめたい
- 必要に応じて紙のレシートを発行したい
反対に、会場にWi-Fiがなく、テザリングも使わず、端末1台だけでモバイル通信まで完結させたい人は、楽天ペイ ターミナルやPayCAS Mobileも候補になります。
まだ機種を決めていない場合は、3台を通信方式で比べた記事から読むのがおすすめです。
イベントでSquareを使う3つの方法
イベント出店で使いやすい方法は、主に次の3つです。
スマホでタッチ決済
- 必要なもの
- 対応スマートフォン
- 端末価格の目安
- 追加端末0円
- 紙レシート
- プリンターなし
- 主な通信方法
- スマホの4G・5G・Wi-Fi
- 向いている人
- まず試したい人、予備レジ
Square リーダー
- 必要なもの
- スマホまたはタブレット+リーダー
- 端末価格の目安
- 4,980円
- 紙レシート
- プリンターなし
- 主な通信方法
- スマホの4G・5G・Wi-Fi
- 向いている人
- 安く幅広い決済に対応したい人
Square ターミナル
- 必要なもの
- Square ターミナル本体
- 端末価格の目安
- 39,980円
- 紙レシート
- 本体に内蔵
- 主な通信方法
- Wi-Fiまたはイーサネット
- 向いている人
- 店舗とイベントを併用したい人
| 比較項目 | スマホでタッチ決済 | Square リーダー | Square ターミナル |
|---|---|---|---|
| 必要なもの | 対応スマートフォン | スマホまたはタブレット+リーダー | Square ターミナル本体 |
| 端末価格の目安 | 追加端末0円 | 4,980円 | 39,980円 |
| 紙レシート | プリンターなし | プリンターなし | 本体に内蔵 |
| 主な通信方法 | スマホの4G・5G・Wi-Fi | スマホの4G・5G・Wi-Fi | Wi-Fiまたはイーサネット |
| 向いている人 | まず試したい人、予備レジ | 安く幅広い決済に対応したい人 | 店舗とイベントを併用したい人 |
価格は2026年8月31日時点・税込。分割払いなどの条件は公式サイトでご確認ください。
1.スマートフォンだけでタッチ決済
対応するiPhoneまたはAndroidスマートフォンにSquare POSレジアプリを入れると、追加のカードリーダーを購入せず、スマートフォンでタッチ決済を受け付けられます。
初期の端末代をかけずに始められるため、次のような使い方に向いています。
- 初めてキャッシュレス決済を導入する
- 小規模なマルシェへ出店する
- 繁忙時だけレジを増やす
- メイン端末が故障したときの予備にする
- まずSquareの操作を試す
ただし、Tap to Pay機能そのものが受け付けるのは、タッチ決済対応カードや対応するモバイルウォレットが中心です。受付可能な決済方法はスマートフォンの機種、OS、Square POSレジアプリの設定、各決済サービスの申込状況によって異なります。
また、スマートフォンに紙のレシートプリンターは内蔵されていません。紙のレシートを必ず渡したい場合は、対応プリンターを別に用意するか、Square ターミナルを検討します。
2.Square リーダー
Square リーダーは、スマートフォンやタブレットとBluetoothで接続して使う小型の決済端末です。2026年8月31日時点の公式価格は4,980円(税込)です。
クレジットカードのICチップ決済・タッチ決済に加え、別途申込みを行うことで電子マネーやQRコード決済にも対応できます。QRコード決済はSquare POSレジアプリの画面に表示したコードを、お客様のスマートフォンで読み取ってもらう方式です。
Square リーダーがおすすめなのは、次のような出店者です。
- 初期費用を抑えたい
- 自分のスマートフォンをレジとして使える
- 紙のレシートが必須ではない
- 店舗カウンターとイベントの両方で使いたい
- 小型で持ち運びやすい端末が欲しい
通信は接続したスマートフォンやタブレット側で行います。会場にWi-Fiがなくても、スマートフォンの4G・5G通信が安定していれば通常利用できます。
3.Square ターミナル
Square ターミナルは、決済端末・POSレジ・タッチスクリーン・レシートプリンターが一体になった端末です。2026年8月31日時点の公式価格は39,980円(税込)です。
カード決済、電子マネー、QRコード決済に対応し、紙のレシートも本体から印刷できます。機材を1台にまとめられるため、会計スペースが限られる3m×3mテントやキッチンカーでも使いやすい構成です。
ただし、Square ターミナルの通常利用にはインターネット接続が必要です。公式に案内されている接続方法はWi-Fiまたはイーサネットで、有線接続には別売の専用ハブが必要です。
Wi-Fiのない屋外イベントでは、次のいずれかを準備します。
- スマートフォンのテザリング
- モバイルWi-Fiルーター
- 主催者が用意する出店者用Wi-Fi
- 利用可能な会場ネットワーク
テザリングを使う場合は、イベント前にSquare ターミナルを実際に接続し、決済・レシート印刷・売上反映までテストしてください。
Squareの初期費用・月額料金・決済手数料
Squareは、アカウント作成費と月額固定費が0円から利用できます。基本的に必要になるのは、選んだ端末の購入費用と、決済が発生したときの決済手数料です。
料金の目安
- アカウント作成
- 0円
- 月額固定費
- 0円から
- Square POSレジ無料プラン
- 0円
- スマホでタッチ決済
- 追加端末0円
- Square リーダー
- 4,980円(税込)
- Square ターミナル
- 39,980円(税込)
- 振込手数料
- 0円
- 対面決済手数料
- 2.5%から
| 比較項目 | 料金の目安 |
|---|---|
| アカウント作成 | 0円 |
| 月額固定費 | 0円から |
| Square POSレジ無料プラン | 0円 |
| スマホでタッチ決済 | 追加端末0円 |
| Square リーダー | 4,980円(税込) |
| Square ターミナル | 39,980円(税込) |
| 振込手数料 | 0円 |
| 対面決済手数料 | 2.5%から |
2026年8月31日時点。最新の料金・手数料は公式サイトでご確認ください。
対面決済手数料2.5%は、年間キャッシュレス決済額3,000万円未満の事業者が、Visa、Mastercard、American Express、JCB、Diners Club、Discoverによる対面決済を受け付ける場合の条件です。それ以外の決済方法には3.25%以上、または別の手数料が適用される場合があります。
例えば、決済手数料2.5%の対象となる方法で1,000円の商品を販売した場合、決済手数料は25円です。
決済方法や年間取扱額によって手数料が異なるため、「すべてのキャッシュレス決済が一律2.5%」という意味ではありません。申込み前に公式の最新手数料表を確認してください。
Squareで受け付けられる主な決済方法
クレジットカード・デビットカード
- Visa
- Mastercard
- American Express
- JCB
- Diners Club
- Discover
- UnionPay(銀聯)など
QRコード決済
- PayPay
- d払い
- 楽天ペイ
- au PAY
- メルペイ
- WeChat Pay
- Alipay+
電子マネー
電子マネーにも対応していますが、対応するブランドの詳細と利用条件はSquare公式サイトでご確認ください。
QRコード決済と電子マネーは、Squareアカウントを作成しただけで直ちにすべて利用できるとは限りません。Square データから機能を有効にし、必要な申込みや審査を完了させる必要があります。
申込みはイベント直前ではなく、早めに行う
Squareは、決済方法によって審査にかかる期間が異なります。カードブランドごとの審査期間は状況によって変わりますが、QRコード決済は利用開始まで最長30日かかることがあると案内されています。
そのため、イベント出店でPayPayや楽天ペイなども使いたい場合は、開催日の1か月以上前を目安にアカウント作成と申込みを始めるのが安全です。
「来週のイベントで使いたい」となってから申し込むと、一部ブランドの審査が間に合わない可能性があります。
Square アカウント作成
PRアカウント作成は無料です。カード決済とQRコード決済では審査にかかる日数が違い、QRコード決済は最長30日かかることがあります。端末を買うより先にアカウントを作っておくと、審査の状況と使える決済ブランドを確認してから端末を選べます。
- ✓アカウント作成費・月額固定費は0円
- ✓個人事業主でも申し込める
- ✓端末を買う前に管理画面と利用条件を確認できる
注意:決済手数料・端末価格・対応ブランド・審査条件は変更される場合があります。申込み前にSquare公式サイトの最新情報をご確認ください。
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売上はいつ入金される?
登録口座が三井住友銀行またはみずほ銀行の場合、通常は決済日の翌営業日に振り込まれます。
それ以外の銀行口座では、毎週金曜日(水曜締め)にまとめて振り込まれる通常サイクルが案内されています。通常の振込手数料は無料です。
イベント出店では、食材の仕入れ、出店料、交通費、スタッフ人件費などを先に支払うことがあります。入金サイクルも確認したうえで、必要な運転資金を準備してください。
Wi-Fiなしのイベントではどう使う?
「会場にWi-Fiがない=Squareを使えない」ではありません。使い方によって通信方法が変わります。
Square リーダーまたはスマホでタッチ決済
スマートフォンの4G・5Gデータ通信を使います。会場Wi-Fiは必須ではありません。
Square ターミナル
Square ターミナルをスマートフォンのテザリングやモバイルWi-Fiへ接続します。テザリングを担当するスマートフォンは、決済端末の近くに置き、充電しながら使えるようにします。
テザリングで足りるなら、それがいちばん安上がりです。ただし、決済端末とテザリング用のスマートフォンを同じ電池で動かすことになるので、一日中の出店だと夕方に電池が心もとなくなります。スマートフォンが電話や注文管理にも使われるなら、なおさらです。
通信を分けるなら、出店の頻度で選び方が変わります。
屋外で通信を確保する3つの方法
PRどれも月額契約なしで使えます。出店の頻度で選び方が変わるので、自分がどれに近いかで見てください。料金と対応エリアは変わることがあるため、各社のページで確認をお願いします。
注意:どれを選んでも、本番と同じ組み合わせで事前にテストしてください。会場に着いてから繋がらないと分かっても、その日は打つ手がありません。決済が通るところ、レシートが出るところまで確認しておくと安全です。
大型イベントでは通信混雑も想定する
花火大会、音楽フェス、大型祭り、スポーツイベントなどでは、来場者が集中して普段よりモバイル回線がつながりにくくなる可能性があります。
次の対策を準備しておくと安心です。
- 異なる通信会社の回線を予備にする
- モバイルWi-Fiまたは別のスマートフォンを用意する
- 決済端末とスマートフォンを前日にフル充電する
- モバイルバッテリーと充電ケーブルを持参する
- 現金と釣銭も必ず準備する
- キャッシュレスだけに完全依存しない
- ✓決済端末とスマホの両方を充電できる容量を選ぶ
- ✓出力(W数)を確認する。容量だけ大きくても充電が遅いことがある
- ✓前日にフル充電しておく
注意: 飛行機で移動する場合、モバイルバッテリーは容量によって持ち込みの制限があります。航空会社の規定を確認してください。
オフライン決済は「常用」ではなく緊急時用
Squareには、インターネット接続が切れたときに利用できるオフライン決済機能があります。
ただし、オフライン時に受け付けられるのは原則として磁気ストライプのスワイプ決済です。ICチップの挿入、タッチ決済、電子マネー、QRコード決済、iPhoneやAndroidのTap to Pay、カード番号の手入力などはオフラインでは利用できません。
オフラインで受け付けた取引は、インターネットへ再接続して初めて処理されます。承認されないリスクも加盟店側が負うため、Wi-Fiのない会場で一日中使うための通常手段には向きません。
イベント出店前の設定手順
STEP 1 Squareの無料アカウントを作成する
メールアドレス、事業・店舗情報、事業内容、売上の振込先となる銀行口座などを登録します。個人事業主でも申込み可能です。
STEP 2 使いたい決済方法を申し込む
カード決済だけでなく、QRコード決済・電子マネーも使う場合は、それぞれ必要な申込みと設定を行います。
STEP 3 使い方に合う端末を選ぶ
- まず試す:スマホでタッチ決済
- 安く持ち運ぶ:Square リーダー
- 紙レシートとPOSを1台にまとめる:Square ターミナル
STEP 4 商品を登録する
メニュー名、価格、税率、商品画像、トッピングなどをSquare POSレジへ登録します。
飲食出店なら、会計時に毎回金額を手入力するより、「焼きそば」「大盛り」「トッピング」などを商品ボタンにしておく方が、混雑時の入力ミスを減らしやすくなります。
STEP 5 通信テストを行う
本番と同じ組み合わせで確認します。
- スマートフォンのモバイル通信
- テザリング
- Square リーダーのBluetooth接続
- Square ターミナルのWi-Fi接続
- レシート印刷
- 売上反映
STEP 6 少額でテスト決済する
少額のテスト決済を行い、決済完了、レシート、取引履歴、取消・払い戻し方法、売上反映まで確認します。
STEP 7 スタッフ全員が操作する
担当者だけが操作できる状態では、休憩中や混雑時に会計が止まります。商品選択、決済、現金入力、レシート、取消、返金までスタッフ全員で練習します。
- ✓Square ターミナルの対応サイズを確認してから買う
- ✓1本では足りない日もある。混雑が見込まれるなら予備を
- ✓保管時は湿気と直射日光を避ける
イベント当日のチェックリスト
- ☐Square端末または対応スマートフォン
- ☐Square POSレジアプリへログイン済み
- ☐端末・スマートフォンをフル充電
- ☐充電器とケーブル
- ☐モバイルバッテリー
- ☐テザリングまたはモバイルWi-Fiの接続確認
- ☐Square リーダーのBluetooth接続確認
- ☐レシート用紙
- ☐少額テスト決済
- ☐対応ブランドの確認
- ☐キャッシュレス対応POP
- ☐現金と釣銭
- ☐雨・直射日光を避ける設置場所
- ☐通信障害時の対応をスタッフで共有
イベント出店全体の持ち物は、持ち物チェックリストの記事でまとめています。
Squareが向いている人・向いていない人
Squareが向いている人
- 店舗とイベントの売上をまとめたい
- 月額固定費を抑えたい
- スマートフォン回線やテザリングを使える
- 最初は小さく始めたい
- POSレジ・商品管理・売上分析も使いたい
- 出店回数に波があり、使わない月の固定費を抑えたい
Square以外も比較した方がよい人
- Wi-Fiもテザリングも用意したくない
- 通信回線内蔵の端末を1台だけ持ちたい
- 毎回、屋外の大型イベントへ出店する
- 通信方法を考えずに端末だけで使いたい
この場合は、モバイル通信に対応した楽天ペイ ターミナルや、SIMを搭載したPayCAS Mobileが候補になります。3台の比較はこちらの記事でまとめています。
よくある質問
SquareはWi-Fiがなくても使えますか?
Square リーダーやスマホでのタッチ決済は、スマートフォンの4G・5Gデータ通信を使えるため、会場Wi-Fiがなくても通常利用できます。Square ターミナルはWi-Fiまたはイーサネット接続が必要なので、屋外ではスマートフォンのテザリングやモバイルWi-Fiを準備します。
Square ターミナルにSIMやモバイル回線は入っていますか?
Square公式が案内しているSquare ターミナルの接続方法はWi-Fiまたはイーサネットです。端末単体のモバイル通信を前提にせず、会場Wi-Fi、テザリング、モバイルWi-Fiなどを準備してください。
SquareでPayPayは使えますか?
SquareはPayPayを含む複数のQRコード決済に対応しています。ただし、Square データからQRコード決済を申し込み、審査を完了させる必要があります。イベント直前では間に合わない場合があるため、早めに申請してください。
Squareは端末を買わなくても始められますか?
対応するiPhoneまたはAndroidスマートフォンがあれば、追加のカードリーダーを購入せずにタッチ決済を始められます。受け付けられる決済方法や対応機種は、Square公式の最新情報をご確認ください。
1日だけのイベントでもSquareは使えますか?
月額固定費0円から利用できるため、出店回数が少ない人でも検討しやすいサービスです。ただし、利用前に加盟店審査や決済ブランドごとの審査を完了させる必要があります。
個人事業主でも申し込めますか?
個人事業主もSquareアカウントを作成できます。申込み時に事業情報、本人情報、振込先口座などの入力が必要です。
紙のレシートは出せますか?
Square ターミナルにはレシートプリンターが内蔵されています。Square リーダーやスマートフォンだけで使う場合、本体にプリンターはないため、紙のレシートが必要なら対応プリンターを別途用意します。
まとめ|Squareは通信方法を決めてから導入する
Squareは、初期費用・月額固定費0円から始められ、スマートフォンだけの小規模運用から、Square リーダー、プリンター内蔵のSquare ターミナルまで選べます。
特に、店舗とイベント出店の売上を同じPOSで管理したい人、出店しない月の固定費を抑えたい人、自分のスマートフォン回線やテザリングを活用できる人と相性のよいサービスです。
一方、Square ターミナルを屋外イベントで使う場合は、Wi-Fiやテザリングなどの通信環境を自分で用意する必要があります。オフライン決済は制限が多いため、通常の通信手段ではなく緊急時の予備として考えましょう。
イベント出店が決まったら、まず無料アカウントを作成し、審査に必要な日数、利用できる決済ブランド、手数料、入金口座、当日の通信方法を確認してから端末を選ぶと失敗を減らせます。
