フリマなら1万円前後、飲食テントなら10万円から。同じ「イベント出店」でも、何を売るかで桁がひとつ変わります。ただ、この金額をそのまま「出店するのに必要なお金」と受け取ると判断を誤ります。中身には、買えば何回でも使える一度きりの費用と、出るたびに消えていく毎回かかる費用が混ざっているからです。この2つを分けないと、その金額が高いのか安いのかも、自分が出せる範囲なのかも決められません。業態別に、分けて見ていきます。
結論|「一度きり」と「毎回」を分ける
費用を考えるとき、いちばん大事なのはこの区別です。
- 一度きりの費用……テント、作業台、機材。買えば何回でも使えます
- 毎回かかる費用……出店料、材料費、容器、燃料、交通費
初回はどうしても高くつきます。ただ、2回目以降は「毎回かかる費用」だけになります。1回で判断せず、何回出るかで考えてください。
パターンA|フリマ・物販(いちばん安く始められる)
家にある物を売るだけなら、道具はほとんど要りません。
費用の目安(一度きり)
- レジャーシート(厚手)
- 1,000〜3,000円
- 値札・POPカード
- 500〜1,000円
- 釣り銭用コインケース
- 1,000〜3,000円
- 折りたたみ椅子
- 2,000〜5,000円
- 買い物袋(渡す用)
- 500円前後
- 合計
- 5,000〜12,500円ほど
| 比較項目 | 費用の目安(一度きり) |
|---|---|
| レジャーシート(厚手) | 1,000〜3,000円 |
| 値札・POPカード | 500〜1,000円 |
| 釣り銭用コインケース | 1,000〜3,000円 |
| 折りたたみ椅子 | 2,000〜5,000円 |
| 買い物袋(渡す用) | 500円前後 |
| 合計 | 5,000〜12,500円ほど |
毎回かかるのは、出店料と交通費・駐車場代くらいです。出店料が無料の募集もあるので、その場合は実質、交通費だけで出られます。
持ち物と当日の流れはフリマ出店の準備と当日の流れにまとめています。
パターンB|ハンドメイド・マルシェ
見せ方に道具が要るぶん、フリマより上がります。
費用の目安(一度きり)
- 折りたたみテーブル
- 5,000〜12,000円
- テーブルクロス
- 2,000〜5,000円
- ディスプレイ什器(棚・木箱)
- 3,000〜10,000円
- 値札・POPスタンド
- 1,000〜3,000円
- キャリーカート
- 5,000〜15,000円
- 合計
- 16,000〜45,000円ほど
| 比較項目 | 費用の目安(一度きり) |
|---|---|
| 折りたたみテーブル | 5,000〜12,000円 |
| テーブルクロス | 2,000〜5,000円 |
| ディスプレイ什器(棚・木箱) | 3,000〜10,000円 |
| 値札・POPスタンド | 1,000〜3,000円 |
| キャリーカート | 5,000〜15,000円 |
| 合計 | 16,000〜45,000円ほど |
毎回かかるのは、出店料・材料費・ショップカードの印刷代・交通費です。
初出店の段取りは作品を並べるまでの準備を参考にしてください。
同じ道具でも売れ方が変わる足を止めてもらう見せ方もあわせてどうぞ。
パターンC|飲食テント出店(いちばん高い)
機材が増えるぶん、桁が変わります。
費用の目安(一度きり)
- ワンタッチタープテント(3m×3m)
- 15,000〜40,000円
- テントウェイト
- 4,000〜10,000円
- サイドシート(横幕)
- 5,000〜15,000円
- 折りたたみ作業台
- 5,000〜15,000円
- 業務用鉄板・コンロ
- 10,000〜50,000円
- クーラーボックス
- 5,000〜20,000円
- 発電機
- 30,000〜100,000円
- 消火器
- 5,000〜10,000円
- 給水・排水タンク
- 5,000〜10,000円
- 機材の合計
- 84,000〜270,000円ほど
- 食品衛生責任者の講習(一度きり)
- 自治体・団体により異なります
- 営業許可の申請手数料
- 開催地により異なります
- 賠償責任保険(イベント単位/年間)
- 保険会社により異なります
| 比較項目 | 費用の目安(一度きり) |
|---|---|
| ワンタッチタープテント(3m×3m) | 15,000〜40,000円 |
| テントウェイト | 4,000〜10,000円 |
| サイドシート(横幕) | 5,000〜15,000円 |
| 折りたたみ作業台 | 5,000〜15,000円 |
| 業務用鉄板・コンロ | 10,000〜50,000円 |
| クーラーボックス | 5,000〜20,000円 |
| 発電機 | 30,000〜100,000円 |
| 消火器 | 5,000〜10,000円 |
| 給水・排水タンク | 5,000〜10,000円 |
| 機材の合計 | 84,000〜270,000円ほど |
| 食品衛生責任者の講習(一度きり) | 自治体・団体により異なります |
| 営業許可の申請手数料 | 開催地により異なります |
| 賠償責任保険(イベント単位/年間) | 保険会社により異なります |
下の3行は、金額の幅が地域や条件で大きく変わるため、上の機材合計には含めていません。ただし飲食で出るなら避けて通れない費用です。機材とは別に見込んでおいてください。
幅が大きいのは、発電機と鉄板の価格差が大きいためです。電源が使える会場だけを選ぶなら発電機は要りませんし、メニューによってはカセットコンロで足りることもありますが、火気の種類まで指定している主催者・自治体があります。持ち込む前に必ず確認してください。
毎回かかるのは、出店料・食材費・容器包材・燃料・交通費です。容器と包材は毎回消える費用なので、月に何度も出るなら地味に効いてきます。
設営まわりはテントと設営用品の選び方、
電源は必要なワット数の目安で試算できます。
調理まわりは調理機材の選び方と
食材管理の保冷と温度管理、
毎回かかる消耗品は容器・包材の選び方にまとめています。
保健所・消防の手続きは許可と申請の流れを先に読んでおくと安心です。
出店料は、募集ごとにまったく違う
ここは相場で語れない部分です。掲載している募集を見ても、無料のものから、数万円を超えるものまであります。
同じイベントの中でも、業態によって分かれていることがあります。
- ハンドメイド雑貨 4,000円/軽飲食 5,000円/飲食 8,000円
- 通常ブース 2,500円/キッチンカー 3,500円
区画のサイズ、電源の有無、屋根の有無でも変わります。金額は必ず、その募集の要項で確認してください。
実際の出店料は募集中のイベント一覧で見比べられます。
初期費用を下げる4つの方法
最初から全部買う必要はありません。
- 1. 主催者の貸出を使う。屋内マルシェは長机と椅子が用意されていることが多く、屋外でもテントを主催者が立てている会場があります。募集要項の「テント」の欄を見てください
- 2. レンタルする。テントや机はレンタルできます。年に1〜2回しか出ないなら、買うより安く済むことがあります
- 3. 中古を探す。テントや作業台は中古の流通があります。使用感は出ますが、クロスをかけてしまえば見えません
- 4. 電源のある会場を選ぶ。発電機はいちばん高い買い物です。「電源あり」の募集だけを選べば、初期費用が数万円下がります
何回で元が取れるか
初期費用は、出た回数で割って考えます。たとえばテント一式に3万円かけたとして、
- 1回の出店で1万円の利益が出るなら、3回で回収
- 1回5,000円なら、6回
これは計算の考え方を示すための例で、売上や利益を保証するものではありません。実際の利益は、来場者数・天候・単価・メニューで大きく変わります。
年に何回出るつもりかを先に決めると、どこまで道具にかけていいかが見えてきます。初期費用を回数で割ると、見え方が変わります。逆に、「1回だけ試したい」なら、レンタルと主催者貸出をフル活用して、買い物を最小にするのが正解です。
忘れがちな費用
機材の値段ばかり見ていると、当日になって足りなくなるのがこのあたりです。
- 交通費と駐車場代。会場周辺のコインパーキングは高くつきます
- 釣り銭。準備する現金そのものです。必要額は単価と想定客数で変わります。飲食で1万円札が多く出る想定なら多めに、フリマなら100円玉中心に、といった具合に見積もってください
- 容器・包材。飲食なら毎回消えます
- 燃料。ガス、ガソリン
- 保険。食中毒・やけど・テントの飛散などに備える賠償責任保険です。主催者が加入を条件にしていることがあり、求められなくても飲食や火気を扱うなら検討してください。主催者側の保険が、出店者自身の賠償までカバーするとは限りません
- 許可の申請費用。飲食を提供するには、原則として開催地を管轄する保健所の営業許可(または届出)が必要です。申請手数料は自治体・業種によって異なります。自分の店の許可があっても、他の都道府県のイベントに出るには、その開催地の保健所での手続きが必要になることがあります。必ず開催地の保健所に事前確認してください
出発前の最終確認は持ち物の確認でどうぞ。
なお、継続して出店して利益が出る場合は、所得税の確定申告や開業届が関係してきます。必要かどうかは所得の金額や他の収入の有無で変わるため、税務署または税理士に確認してください。所得税の申告が不要な場合でも、住民税の申告が別途必要になることがあります。
決済手段も「初期費用」に入れておく
見落とされがちですが、現金しか使えない状態で出ると、買えたはずの人を取りこぼします。これは費用ではなく、機会損失です。
端末の価格は各社で異なり、数千円のカードリーダーから数万円の一体型まで幅があります。ただし決済サービスの多くは、端末を買わなくても使い始められる形を用意しています。初期費用の見積もりでは、いったん「0円」の欄として置いておいて構いません。
どのサービスにするかは決済端末の比較で整理しています。
Square ターミナル
PRキャッシュレス対応は、初期費用ゼロから始められる数少ない項目です。Square はアカウント作成が無料で、手持ちのスマホがあれば端末を買わずにカード決済を始められます。レシートプリンター内蔵の Square ターミナルのような専用端末に進むかどうかは、何回出るか、どれくらい売れるかが見えてからで間に合います。
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まとめ
- 費用は「一度きり」と「毎回」に分けて考える
- いずれも目安です。フリマなら1万円前後、ハンドメイドで1.6〜4.5万円、飲食テントは8〜27万円と幅があります
- 出店料は募集ごとにまったく違う。要項で確認する
- 主催者貸出・レンタル・中古・電源あり会場で初期費用は下げられる
- 初回だけで判断しない。何回出るかで割って考える
