12月の東京は、日没が16時30分です。撤収の前に、あたりは暗くなります。冬の出店を難しくしているのは、寒さと暗さの2つです。寒いと来場者は長居せず、立ち止まって選ぶ時間が短くなります。出店する側も、手が動かなくなれば会計が遅れ、その分だけ列が進まなくなります。そこへ日没の早さが重なって、夕方のいちばん売れる時間と撤収が、暗い中での作業になります。防寒は快適さの話に見えて、実際は売上に直結します。屋外に一日立つ前提で、順番に見ていきます。
結論|暖房より先に、風を止める
冬の屋外で効果が出やすいのは、実は暖房器具ではありません。風を遮ることと、地面への熱の逃げを断つことです。この2つをやらずにストーブだけ焚いても、熱はそのまま風に持っていかれます。
優先順位はこうです。
- 1. 風を止める(横幕)
- 2. 足元を断つ(断熱マット)
- 3. 体に貼る(カイロ)
- 4. 暖房を足す
風を止める
横幕(サイドシート)は、風上の1面を塞ぐだけでも中の体感が変わります。ただし全面を囲うと、燃焼式の暖房は使えなくなります(後述)。前面は開けたままにしてください。
タープテント用サイドシート(横幕)
PR効果が出やすいのは、暖房より風を止めることです。体感温度は風速1m/sごとに約1℃下がると言われます(あくまで目安です)。3面を囲うだけで、同じ気温でも別の場所になります。
- ✓まず風上の1面。次に両サイド
- ✓前面は開けておかないと客が入りにくい
- ✓テント本体のサイズに合うか確認
足元を断つ
風を止めたら、次は地面です。アスファルトやコンクリートの上に立ちっぱなしでいると、靴底ごしに体の熱が地面へ逃げ続けます。作業スペースぶんだけでも断熱材を1枚はさんでおくと、後半の消耗が変わります。
- ✓アルミ面を上(体側)に向けると、体から逃げる熱を反射して戻せます
- ✓厚み10mm以上あると体感が変わる
- ✓作業スペースぶんだけ敷けば十分
暖房は「電源があるか」で決まる
会場に使える電源があるかどうかで、選ぶものが変わります。募集要項の「電源」の欄を先に見てください。「未確認」と書かれている場合は、電源が使える保証はありません。無い前提で準備しておくほうが安全です。
必要な出力の目安は発電機の記事で計算しています。
電源がない会場
一酸化炭素チェッカーの併用も強くおすすめします。ただし検知器があっても、囲った空間で燃焼式を使ってよいことにはなりません。あくまで最後の保険です。
カセットガスストーブ(屋外用ヒーター)
PR電源のない会場で使われます。ただし冬は注意点があります。冬はガスの気化が悪くなりますが、缶を火であぶる、ストーブの近くに置く、カイロやお湯で温めるといった加熱は絶対にしないでください。破裂・爆発の原因になります。対策は「寒冷地用(イソブタン・プロパン混合)のガスを使う」「使用直前まで常温の場所に置いておく」の2つだけです。直射日光の当たる場所や車内への放置も避けてください。
- ✓寒冷地用(イソブタン・プロパン混合)のガスを選ぶ
- ✓予備のガス缶を多めに。冬は消費が早い
- ✓転倒時消火装置つきを選ぶ
注意: 使う前に、上の一酸化炭素の注意を必ず読んでください。火気の使用可否は会場によって異なります。募集要項と主催者に必ず確認してください。
電源が使える会場
電気ストーブ・セラミックヒーター
PR電源が使える会場ならこちら。燃焼させないので一酸化炭素の心配がありません。ただし消費電力が大きく、800〜1,200Wを見ておく必要があります。調理機器と同時に使うと、容量によってはブレーカーが落ちます。
- ✓会場から使える容量(W数)を先に確認
- ✓発電機で使うなら定格出力に余裕を
- ✓足元向けの小型でも体感は変わる
注意: 電源の容量オーバーは、自分だけでなく周りのブースも巻き込みます。使用予定のW数は事前に主催者へ伝えてください。延長コード・コードリールは表示された許容電流(W数)を超えないこと。特にコードリールは巻いたまま使うと発熱して発火することがあるので、必ず全部引き出して使ってください。屋外では防雨型を選び、接続部を地面に直置きしないでください。
届出の出し方は許可・申請の記事にまとめています。
商品が冷える・凍る
飲食なら、冬は保冷の心配が減るぶん、別の問題が出ます。
- ドリンクが冷たくなりすぎて売れない。温かい商品の比率を上げる
- 油や調味料が固まる。特に朝の設営時
- ペットボトルや缶は凍ることがある
物販でも、低温で硬くなる素材には注意してください。キャンドル、石けん、レジンなどは、冷えると割れやすくなることがあります。搬入時に車内へ長時間置いておく場合は特にです。
保冷・保温の道具は冷蔵・保冷の記事で比較しています。
スタッフが動けなくなると、店が止まる
一日立ちっぱなしの屋外は、想像よりも消耗します。交代要員がいない個人出店ほど、装備で差が出ます。
防寒着(防風・撥水の作業ジャンパー)
PRアウトドア用より、作業着メーカーの防寒ジャンパーのほうが動きやすく、値段も現実的です。屋外に何時間も立つ前提なら、中綿より「風を通さないこと」を優先してください。
- ✓風を通さない生地かどうかが最優先
- ✓丈が長いと座ったときに腰が冷えない
- ✓汚れてもいい色を選ぶ
- ✓指先が出るタイプは会計と両立できる
- ✓カイロを併用するなら貼らないタイプを使い、圧迫される場所には入れない
- ✓予備をもう1組。濡れると一気に冷える
貼るカイロ(箱買い)
PR一人あたり1日3〜4枚は使います。腰・背中・足裏に貼ると効率がいいです。ただし肌に直接貼らない。同じ場所に長時間、圧迫した状態で使うと低温やけどになります。スタッフぶんに加えて、寒がっているお客さんに渡せると印象が変わります。
- ✓肌に直接貼らない。衣類の上から使う
- ✓足裏用は靴用の専用品を使う
- ✓開封してから温まるまで時間がかかる
朝いちばんが、いちばん寒い
設営は開場の1〜2時間前です。冬なら、まだ日が昇りきっていない時間帯になります。
- テントの骨組みが冷たく、素手だと指が張り付くように感じます
- 前夜の霜や結露で、テントや机が濡れていることがあります
- 拭くための布と、乾いた敷物を1枚多めに
設営用の手袋を、営業用とは別に持っていくのがおすすめです。
手がかじかむと、会計が遅れる
指先の感覚が鈍って小銭がつまめない、お客さんも手袋を外して財布を出すのに手間取る。1組あたり数十秒の遅れでも、列ができると次の人が離れていきます。
キャッシュレスが使えると、この時間がまるごと消えます。かざす・タッチするだけなら、お互い手袋のままでも終わります。冬こそキャッシュレスの効き目が大きいのは、この理由です。
どの端末を選ぶかは決済端末の比較記事で整理しています。
Square ターミナル
PRSquare ターミナルなら、手袋をしたままタッチで会計が終わるので、冬は現金より速いことがあります。冷えた指で小銭を数える時間も、お客さんが財布を出す時間も要りません。レシートプリンターも内蔵しているので、かじかんだ手で端末を持ち替える必要がないのも冬向きです。
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日が落ちるのが早い
12月の東京だと、日没は16時30分ごろです。17時までの営業でも、最後の30分は暗い中で売ることになります。
- 照明がないと、商品も値札も見えません
- 暗いブースは、通りがかりの人から「もう閉めている」ように見えます
- 撤収作業も暗い中でやることになります
照明は夏のイベントより優先度が上がります。暗い中で「見える店」にするには、何をどこに置くかも効いてきます。
テント内で使えるLEDクリップライトはチェックリスト記事で紹介しています。
照明と什器で見え方がどう変わるかはブースの作り方で解説しています。
火気や暖房を使うなら、賠償責任保険への加入も検討してください。主催者の保険が出店者の賠償までカバーするとは限りません。
まとめ
- 暖房より先に、風を止めて足元を断つ
- 暖房は電源の有無で選ぶ。燃焼式は横幕で囲ったテント内では使わない
- 火気の可否は会場ごとに違う。事前に確認し、消火器と届出も準備する
- 手がかじかむ前提で、キャッシュレスを用意しておく
- 日没は東京なら16時半ごろ。照明の優先度が上がる
- 設営の朝がいちばん寒い。専用の手袋を1組
