早見表|品目と売り方で決まる
- 焼き菓子・パンを作って売る → 許可(菓子製造業)
- 許可施設で作った、常温で保存できる包装済み食品を売るだけ → 許可も届出も不要
- 要冷蔵・要冷凍の包装済み食品を売る → 届出
- その場でコーヒーを淹れて出す → 許可(飲食店営業。イベントでは臨時営業の許可や届出)
- 自家焙煎のコーヒー豆・ドリップバッグを作って売る → 届出
- 農家が自分で育てた野菜・果物をそのまま売る → 不要
- 農家以外が野菜・果物を売る → 届出
- 漬物を作って売る → 許可(漬物製造業)
- ジャムを作って売る → 製品によって許可か届出(保健所の判断)
- 会場で調理して出す → 臨時営業の許可や届出(自治体ごとに品目の制限あり)
- キッチンカー → 許可(飲食店営業・自動車)
- 試食 → 自治体ごとに扱いが違う
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お菓子・パンを作って売る
焼き菓子やケーキ、パンを作って売るには菓子製造業の許可が要ります。厚生労働省の資料では、菓子製造業は「パン製造業及びあん類製造業を含む」とされています。
自宅のキッチンでは作れない
許可を受ける施設は、住居の台所と物理的に区画されている必要があります。作る時間帯を分けるだけ、作業工程を分けるだけでは区画と認められません。
自宅に工房を作れない場合は、許可を受けたレンタルキッチンやシェア工房を借りて作る方法があります。
包装済みの食品を仕入れて売る
許可を受けた施設で作られ、包装されたままの食品を売るだけなら、手続きは保存方法で分かれます。
- 常温で保存できる包装食品だけを売る → 国の制度では許可も届出も不要
- 要冷蔵・要冷凍の包装食品を売る → 営業届出が必要
ただし、イベント会場での出店について独自の届出を求める自治体もあります。仕入れて売る場合も、出店場所の保健所に一度確認してください。
コーヒー・飲み物
その場でコーヒーを淹れて出すのは、飲食店営業にあたります。コーヒーやジュースなど飲み物だけを出す営業は、施設の基準が一部緩い「簡易な飲食店営業」の扱いです。イベント会場では、自治体の臨時営業の許可や届出で出店するのが一般的です。
自分で焙煎した豆やドリップバッグを作って売る場合は、コーヒー製造・加工業の営業届出が必要です。仕入れた包装済みの豆をそのまま売るだけなら、常温の包装食品として許可も届出も要りません。
野菜・果物・ジャム・漬物
野菜・果物
農家が自分で育てた野菜や果物を、手を加えずにそのまま消費者に売るのは、許可も届出も要りません。農家以外の人が野菜や果物を売る場合は、野菜果物販売業の届出が必要です。
カットフルーツやカット野菜は、扱いが分かれます。八百屋がその日のうちに食べる前提で簡単に切る程度なら届出の範囲に含まれることがありますが、会場で切って提供する場合などは保健所の判断になります。
ジャム
瓶詰めのジャムは、製品の性質によって許可(密封包装食品製造業)か届出かが分かれます。酸性度(pH)や水分の量で扱いが変わるため、作る前に保健所に相談してください。
漬物
漬物を作って売るには、2021年に新しく設けられた漬物製造業の許可が要ります。以前は許可が要らなかった地域でも、経過措置は2024年5月31日で終わっています。
会場で調理して出す(臨時営業)
イベント会場で調理して出す場合は、自治体の臨時営業の許可か届出で営業するのが一般的です。ここは自治体ごとの違いがいちばん大きいところで、出せる品目にも制限があります。
- 大阪市:露店営業は許可、地域行事の臨時出店は届出。どちらも提供直前に加熱する簡易な食品(たこ焼き・唐揚げ・おでんなど)、かき氷、わらびもち、飲み物に限られる
- 横浜市:屋台型は、現地で加熱調理する食品か工程が単純な食品を1品目まで
- 東京都(多摩地域など):臨時営業の許可では、生もの(刺身・生卵・生肉など)や生クリームは扱えない
- 江東区:届出による臨時出店は、原則として年5日以下が条件
キッチンカー
キッチンカーは飲食店営業の許可が必要で、申請の際に車のナンバーを届け出ます。許可は原則として保健所の管轄ごとに必要ですが、自治体どうしで調整している地域では1つの許可で広く営業できる場合があります。
募集要項には、許可の範囲を指定する書き方がよく出てきます。
- 「キッチンカーは栃木県一円の営業許可が必須で、車外調理は禁止」
- 「営業許可が京都府内であること」
- 「食品営業許可証の写し(自動車による営業が許可されているもの)」
試食を配る場合
試食の扱いを全国で統一したルールは見当たりません。千葉市は、無料の試飲・試食でも販売と同じ基準で許可の要否を判断するとしています。江東区は、試飲・試食だけならガイドラインに沿って対応できるとしています。試食を配る予定があるなら、申込みの前に保健所へ確認してください。
募集要項ではこう求められる
イベントシュッテンナビに掲載中の食品を扱う募集657件(2026年9月30日時点、要項の本文があるもの)を調べると、46%が営業許可、21%がPL保険などの賠償保険、14%が食品衛生責任者について書いていました。応募前に、募集要項で提出書類を確認しておきましょう。
許可は出店の当日に確認されるとは限らず、申込みの時点で書類の提出を求められることが多いです。実際の募集要項には、こういう記載があります。
- 「提出書類:出店申込書/保健所発行の営業許可書の写し/運転免許証の写し」
- 「提出書類=①出店申込書 ②臨時営業許可書写し(飲食出店者のみ) ③出店誓約書」
- 「テントの食品は個包装で販売できる営業許可証か露店営業許可証が必要」
- 「公的機関の定める営業許可証がある者(当日までに取得すれば可)」
- 「出展に必要な保健所や消防署等への手続は主催者で行います」
最後の例のように、主催者がまとめて手続きをしてくれるイベントもあります。自分で取るのか、主催者がまとめるのかを要項で確認してください。
包装して売るなら食品表示も必要
包装した加工食品をマルシェで売る場合は、食品表示法にもとづく表示が必要です。表示を省略できる「製造した場所で販売する場合」は、同じ施設や敷地の中で作って売る場合(洋菓子店やパン店など)に限られます。自分の工房の外にあるマルシェでは、表示が必要と考えてください。
消費者庁のQ&Aでは、販売を仕事にしていない人でも対象になるとして「町内会の祭りで瓶詰めの手作りジャムを販売する町内会の役員」を例に挙げています。無料で配る場合も、不特定または多数に配るなら対象です。
主な表示項目は、名称・原材料名・添加物・内容量・期限・保存方法・アレルゲン・製造者の氏名と所在地・栄養成分と熱量などです。栄養成分の表示は、消費税の免税事業者などは省略できます。
包装せずに量り売りする場合や、注文を受けてからその場で詰める場合は、表示の対象外です。
食品衛生責任者と衛生管理
許可や届出が必要な営業では、食品衛生責任者を置く必要があります。資格は、各地の講習会(1日・約6時間)を受ければ取れます。調理師・製菓衛生師・栄養士などの資格があれば講習は不要です。常温の包装食品を売るだけの営業のように、衛生上の影響が小さい営業は対象外とされています。
また、食品を扱う事業者には、HACCPに沿った衛生管理が求められています。小規模な事業者は、簡略化した「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」でよいとされています。
よくある質問
自宅のキッチンで作ったクッキーをマルシェで売れますか?
自宅の台所のままでは売れません。お菓子を作って売るには菓子製造業の許可が必要で、許可を受ける施設は住居の台所と物理的に区画されている必要があります。時間帯を分けるだけでは認められません。レンタルキッチンやシェア工房など、許可を受けた施設で作る方法があります。
お店で買った包装済みのお菓子を仕入れて売るだけでも届出は要りますか?
常温で保存できる包装食品をそのまま売るだけなら、国の制度では営業の許可も届出も要りません。要冷蔵・要冷凍の食品を売る場合は営業届出が必要です。ただし、イベント会場での出店届などを別に求める自治体もあるので、出店場所の保健所に確認してください。
試食を配るのに許可は要りますか?
全国共通のルールはなく、自治体によって扱いが違います。千葉市は、無料の試飲・試食でも販売と同じ基準で許可の要否を判断するとしています。包装した食品を無料で配る場合も、不特定多数に配るなら食品表示が必要です。
募集要項に営業許可のことが書いていなければ、許可は要りませんか?
いいえ。許可や届出が必要かどうかは食品衛生法と自治体の条例で決まり、募集要項に書かれているかどうかとは関係ありません。要項に記載がなくても、売る品目と売り方に応じた手続きが必要です。
まとめ
食品の許可は「何を作るか」「どこで作るか」「どう売るか」で決まります。作って売るなら許可施設が必要、仕入れた常温の包装食品を売るだけなら手続きは軽くなります。会場で調理するなら臨時営業の許可や届出が要り、出せる品目は自治体ごとに違います。迷ったら、出店する場所の保健所に売る品目を伝えて確認してください。
テント・消火器・火気など、食品以外の申請は許可・申請の記事にまとめています。
食品を扱える出店募集は、出店募集の一覧から探せます。

